日本の伝統的な食文化「発酵」の始まりとされている「米麹」。
味噌や醤油、みりんなどの原料となっており、日本の食卓とものすごく深い関係性を持っています。
そんな米麹ですが、発酵食品であるがゆえに、
「なんだか作るのが難しそう・・・。」
「失敗したらやばい!?ちゃんと食べられるように作れる!?」
そんな不安から、なかなか手が出せずにいる方も多いんじゃないでしょうか。
そんなあなたに向けて、ここでは誰でも簡単に、本格的な米麹が作れる方法をご紹介していきます。
米麹はあらゆる料理に活用することができ、米麹を利用した料理はもれなく旨味が引き出され、柔らかく美味しい本格料理に早変わりします。
自作の米麹とあれば、愛情も3割増しでなお美味しく楽しむことができます♪
ぜひ参考にしてみてくださいね。それではまいります!
米麹づくりの準備と材料
まずは米麹づくりに必要なものをそろえていきましょう。
- 米(4合分)
- 種麹(3〜5g)
- ザル
- しゃもじ
- 毛布
- 布
- 蒸し器
- トレイ
- 温度計
- 温熱装置
米麹は麹菌を繁殖させて作ります。
準備するものに雑菌がついていると、雑菌も繁殖してしまう恐れがあるので、準備するものはよく洗い、清潔にしておきましょう。
米麹づくりの手順
準備ができたらさっそく作っていきましょう。
米麹は以下の手順でつくられ、完成するまではおよそ2日間かかります。
- 米を洗う
- 水を切る
- 米を蒸す
- 米を冷ます
- 種切り
- 培養
- 手入れ①
- 手入れ②
- 手入れ③
- 完成
それぞれの手順を詳しく解説していきます。
米を洗う
ご飯を炊くのと同じ要領でお米を洗います。
底が深めの器に米と水を入れ、手でよくかき混ぜて、水が白く濁ったら水を捨てます。
これを3〜4回繰り返すと、水があまり濁らなくなってきますので、そうしたら米をきれいな水につけて5〜15時間おいておきます。
水を切る
水につけておいた米をザルにあげ、3時間水切りをします。
このとき、米全体が均一に水切りされるよう、1時間に1回程度、手で混ぜておきましょう。
米全体が均一に水切りされていないと、お米を蒸した際に蒸し具合にバラつきがでてきてしまうので注意しましょう。
米を蒸す
米を蒸し器に移して40分ほど蒸します。
蒸し終わったら、米の硬さを確認します。
米の芯が残ってしまっている場合は、蒸し時間が足りないので、5分ずつ蒸しながら米の硬さを確認します。
米の芯がなくなり、普段食べるご飯よりだいぶ硬めの状態に蒸し上がったら完了です。
米を冷ます
米が蒸し上がったら米をトレイに広げ、しゃもじで米を切るようにして米表面の水分と熱を飛ばしていきます。
温度計を使い、35〜45度まで米を冷ましてください。
米の温度が高すぎると、種麹の麹菌が死滅してしまうので注意してください。
種切り
米全体にまんべんなく種麹を撒きます。
種麹を撒くときは、米より40〜50センチほど高い位置から撒くとうまくいきやすいです。
種麹を米全体に撒いたら、均一にすり込むようによく混ぜ合わせてください。
「種麹を少し撒く→米を混ぜる」の工程を数回に分けて行うと、米全体に均一に種切りすることができます。
培養
種切りが完了した米を、清潔な布でひとまとめに包みます。布で包む際は、なるべく力を入れて、お米を圧縮するようにしましょう。
米を包んだ布を、毛布に包んだりこたつに入れたりして、30〜40度ぐらいに保温します。
こたつがない場合は、発泡スチロール保温箱に湯たんぽなどを一緒に入れて温度を調節します。
手入れ①
米の保温開始から18〜20時間経過すると、麹菌が発芽し、麹の甘い香りが漂ってきます。
見た目は米に白っぽい点が出てきていて、これは麹菌の菌糸によるものです。
米をいったん布から取り出し、米のかたまりをひと粒ずつバラバラにほぐします。
ほぐしたら再度布で包み込み、保温再開します。
この手入れは「切り返し」とも言われており、米の温度を均一にするためと、米に酸素を行き渡らせるために必要な行程です。
切り返しの最中も、米の温度が下がってしまわないよう、手早く済ますよう作業しましょう。
手入れ②
手入れ①(切り返し)から3〜8時間経過したら、トレイの上に濡らしてしぼった布を敷き、その上に米を移します。
米を移す際は、米がかたまりになっている部分があるので、手でほぐしながら移します。
トレイの上に厚い板状になるよう米を移したら、米の上にも清潔な布をかぶせてください。
この手入れは「盛り」と呼ばれています。
「盛り」を行うと、米の乾燥速度が上がります。麹菌の活動には酸素が必要なので、米全体が密閉状態にならないよう気をつけながら再び保温します。
手入れ③
手入れ②(盛り)から5時間経過したら、かたまった米を再び手でほぐします。(中仕事)
ここで米をほぐしたら、2時間後、さらにもう1度米をほぐします。(仕舞仕事)
完成
手入れ③(中仕事、仕舞仕事)から3時間後(種切からおおよそ42-50時間経過後)に米麹が完成です。
お米を保温容器から取り出して、状態を確認しましょう。
菌糸がくっついて米が板状になり、簡単に手でほぐれる状態であれば完成です。
麹菌の菌糸が米に根つき、喰い込んだように見える状態のことを「破精」といいます。
破精込み具合が良く栗のような香りが出ていれば、良い麹と言われています。
米麹を作るには、材料をそろえてから最低でも2日はかかるので、
「おいしい米麹をすぐに楽しみたい」という方は、ぜひ麹屋もとみやの無添加・無着色・こだわりの手作り米麹をお試しください!
これって失敗じゃない?良くできた米麹の状態と保存方法
温度管理の状態によっては、完成した麹が以下のような状態である場合があります。
- 麹にフワフワ感がない
- 麹にかたまり感がない
- 蒸し米状態に近い
このような場合でも失敗ではなく、通常の米麹としての利用は可能です。
完成した麹はできるだけ早く使い切りましょう。
「それでも気になるから料理に使うのはちょっと・・・」
という方は、残念ながら作り直しです。。。
作り直した場合、材料を購入してから完成までまるっと2日間ムダにしてしまうかもしれません。
麹屋もとみやでは、職人こだわりの手作り米麹を販売しています。
米麹づくりの材料費と期間を考えると、むしろ安上がりなので、このさい米麹での購入を検討してみるのがいいかもしれません。
冷蔵庫で保存する場合は、吸湿性のある紙袋に入れて3週間。
冷凍庫で保存する場合はジップ付きの保存袋などに入れて3ヶ月が賞味期限のめやすです。
米麹をつかったレシピの定番・甘酒を作ってみよう
米麹が完成したら、さっそく甘酒を作ってみましょう。
甘酒は「飲む点滴」と呼ばれるほど、栄養価が高いと言われています。
こちらのページで、甘酒の作り方について詳しく解説しているので、ぜひこちらを参考にして美味しい甘酒作りに挑戦してみてくださいね♪
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、誰でも簡単にできる米麹の作り方についてご紹介させていただきました。
米麹は発酵させて作るので、普段料理をする人から見てもちょっとハードルが高いように感じられるかもしれませんが、温度がしっかり管理されていれば、定期的に簡単な手入れをするだけで完成します。
米麹があれば、普段の食卓を、簡単に本格料理に変えることができます。
みなさんもぜひ試してみてくださいね♪
米を蒸しますが、硬さがバラバラです。
均一にならないのです。理由を教えてください
米を蒸すと硬さがバラバラです、
柔らかく蒸す事が出来ないので
教えてください。
返信が遅くなり大変申し訳ございません。
榊原様がお悩みになっていることの解決策として考えられることの一つは吸水時間が短いのかもしれません。
お米がすっかり浸るくらいの水にいれ、(今の時期ですと冷蔵庫に入れてもいいですし)半日程吸水させ、蒸し器に平らに敷き蒸してみてはどうでしょうか⁉
麹作りに使用した布の洗濯は、どうのようにされていますか?
麹を包んでいた布に麹のかすがついて、手洗いしてもなかなかとれません。
白地に白い麹なので、確認するにも一苦労です。よい方法があれば教えてください。
私たちも特別な事をしているわけではなく、予洗いをし乾燥させ、パンパンとふるい落とし洗濯をしておりました。
ふるい落とす作業が多少力のいる作業になりますが、それが一番落ちやすいと思っております。参考になれば幸いです。